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2019年度 第4回 Q&A

第4回 2020年1月20日(火)

トポロジーで光を操る
-光はボールとドーナツを見分けるか-

岩本 敏

講演当日に頂いたご質問への回答(全19件)

※回答が可能な質問のみ掲載しています。

トポロジカル量子コンピューターは理論的にエラー発生率の低い量子コンピューターと言われています。トポロジカルフォトニクスによって、量子ビット集積化可能な固体トポロジカル量子コンピューターが実現する可能性はありますでしょうか。

量子ビット間の情報伝送には貢献できる可能性はあると思われますが、トポロジカルフォトニクスが直接的にトポロジカル量子コンピュータや量子コンピュータに利用されることは難しいでしょう。

干渉縞はトポロジカルな性質を持っているように思えるのですが、どうなのでしょうか?

ある意味で正しいです。例えば干渉縞が途中で枝分かれしているような場合があります。これは、光渦と呼ばれる実空間に位相の渦構造をもつ光(トポロジカルチャージを持つ光)と平面波(持たない光)でできた干渉縞です。

光の自由度の要素のすべてにトポロジーの考え方は適用可能なのでしょうか。

例えば偏光について、トポロジーの考え方を採り入れることはできます。また、講演で主に紹介したバンドトポロジーとは少し異なりますが、位相や偏光の空間分布を考えるとトポロジーの異なる様々な光があることがわかります。波長や強度については難しいかもしれません(今後出てくるかもしれませんが)。

トポロジカルフォトニクスの応用として、センサ(例えば加速度、角加速度、応力センサ等)としての利用が考えられないでしょうか。応用可能であるとき、光の位相を用いた干渉計としての感度と比べて、さらなる好感度等利点が考えられるでしょうか。

ご質問、ありがとうございます。可能だと思います。ただ、現時点ではまだその具体的な方向性や性能が十分には明らかではありません。今後の発展が期待される点の一つです。

光は電磁波、波と粒子の二面性を持つと言われるが、何故粒子なのに質量はないのか?

光子を"粒子"とする説明はよくありますが、野球ボールのような"粒子"と考えるのは適当ではないと考えます。一つの光子の持つエネルギーを単位として、離散的なてネルギーを持つ、粒のように数えられるということが"粒子性"という言葉の意味と理解いただくのが良いかと思います。

また、質量がないのにエネルギーがあるというのは?

E=mc^2が有名ですが、正確にはE^2=(mc^2)^2+(cp)^2となります。pは運動量です。m=0でも、飛び続けている光は有限のpを持ちますので、エネルギーを持つことになります。

特定の周波数の光を制御できるとのことですが、同じ空間で、複数の周波数を同時に制御するような研究は行っていますか。

例で取り上げた1次元の系は特定の周波数のみになりますが、2次元の場合を考えるとある範囲の波長全てで機能するような状態を実現可能です。また周波数に応じて進む方向が変わるような構造の検討も報告されています。

「きょうは時間がないので省きます」という部分をもっと聞きたかったです。その部分は難問だからですか?

その側面もありますが、イメージを掴んで頂くには細かすぎる、少し脇道といった内容です。

電子の場合edge stateはedgeを伝搬しますが、光の場合、光の見かけ上の進行方向に対して垂直にedgeできているように感じました。この場合情報は垂直に伝搬するのでしょうか?

光の場合も同じです。話を簡単にするために、一次元の周期構造を例に説明しましたので、混乱させてしまったかもしれません。この場合はedgeにできる状態は0次元状態(動かない局在状態)になります。2次元構造でedgeに沿って光が伝播します。最後に駆け足で紹介した例などが対応します。

「ベリー位相」がトポロジー的な性質を持つということは、獲得される位相差は(例えば2πの整数倍)のような、飛び飛びの値しかありえない、ということなのでしょうか。連続的な値をとることが無いのは、不思議に感じられます。

基本的にご理解の通りで正しいです。ただし、ベリー位相自体は一般には連続値をとることが可能です。系にトポロジカルな性質がある場合にはその値が飛び飛びの値しか取れなくなります。飛び飛びの値しかとれなくなるのは、実空間の図形で考えた時に、穴の数が0,1,2と飛び飛びにしか変わらないことに対応していると考えていただければよいかと思います。

光子はボゾンですが、Berry phaseと聞くとついMajorana Fermionが浮かんでしまいます。Photonics版のKitaer modelや光のトポロジーを利用した、Braid groupのような群は表現できるのか、量子計算に応用できそうかについて伺いたいです。※元量子情報屋です。

ご質問ありがとうございます。Majorana Photonというのはホットな話題の一つで、webで検索していただくといくつかの記事や論文が出てくると思います。個人的には、Fermionのそれに対応するのか、どう使える可能性があるのかなど、まだこれから議論されるところだと思います。

そもそも「光」って何なんですか。

ご質問、ありがとうございます。電場と磁場が振動しながら進む電磁波と呼ばれるもののうち、ある周波数領域のものを通常「光」と呼びます。ただ、ご質問の意図は、なぜ光が存在するのか、なぜ光子が素粒子の一つなのかといったようなもっと本質的なものと思います。とても難しいご質問で、ご満足いただける簡潔な回答ができません。申し訳ありません。

今日はトポロジーに主眼をおいてご説明いただいていますが、光の波長と結晶のサイズ(物理的長さ)の関係にも影響を受けるのでしょうか。

ありがとうございます。扱う波長のサイズと構造のサイズ(周期)は同程度です。ただし、波長は材料中の波長ですので真空中のそれより短くなります。例えば半導体を用いてフォトニック結晶を作る場合、半導体の屈折率は3程度ですので、真空中の波長1.5ミクロンの光を扱おうとすると数百nm程度の周期構造が必要になります。一方、一つの周期だけでは意味をなしませんので全体はある程度の周期数で構成されることになります。そのサイズは機能や目的によって異なりますが、最低でも5~10周期程度は含まれることが多いです。

結晶の中を光が進む際、近接効果のような「もれ」があるのでは?するといろいろな素子を作り込む場合には、ある程度の距離?大きさが必要になるのでしょうか。

はい、そのとおりです。

鏡の前で動作するときの鏡の中の動作は左右逆転なるのですが、位相幾何学的に説明できるのでしょうか。

鏡の像が逆転するのは位相幾何学ではなく物理(反射の法則)によるものです。できる像自体についてはその性質をトポロジーの視点から考えることはできるでしょう。当日の回答のように、例えば紙に右巻きの渦を書いて鏡に映すと左巻きになります。2次元の世界で考えるとこの2つは平行移動したり拡大したりしても重なりませんのでトポロジカルな性質が違うといえます。ただし三次元的な変形も揺すると重ねることができます。書いた紙から渦を"剥がして"ひっくり返すと左向きの渦に変形できます。どんな次元で考えるかで区別が変わる一つの例になっています。

光と電子の違いは何でしょうか。

いろいろな点で違いがありますが、電子には電荷があるが、光にはないことは大きな違いの一つです。光同士は直接相互作用しないこととも関係しています。また、電子は電荷があるために、磁場や電場の効果を受けますが、光の場合はこれらの外場から直接の影響は受けません。他の質問にもありますように、質量の有無も違います。また、厳密な意味で電子スピンと同じものを光は持っていません(次の回答も参照ください)。

光と電子をバンド構造で同様に考えられるのであれば、位相とは電子スピンのことですか?(歳差運動のイメージでしょうか?)

位相とは波の1周期分の中のどのくらいの位置にあるかを示す量で、例えば波をsin(t)と書いたとするとカッコの中のtがそれにあたります。電子も量子力学では波動関数で記述され、同じような位相を定義できます。スピンとこの位相というのは別のものです。光について、電子スピンに対応するものを敢えて挙げるとすれば偏光ですが、厳密な意味では等価ではありません。なお、ここでの"位相"は位相幾何学などに現れる数学での"位相"とはまた意味が違うのですが、講演中でその点にコメントしなかったために、混乱を招いてしまったかと思います。申し訳ありませんでした。

「k空間を一周する」というのが分かりにくかったですが、具体的にはどのような操作をイメージすればいいのでしょうか?

具体的に何かを変えて操作するということではなく、頭の中で光や電子(の状態)をk空間上で移動させるということです。

バンドトポロジーと同様の事は、もっと波長の長い、電波の領域でも生じますか?その場合、どのような機械構造が対応しますか?

はい、電波の領域だけでなく、音波や機械振動についてもバンドトポロジーの概念を活かした制御が可能です。対応する構造は扱う周波数領域によって異なります。例えば機械振動であれば振り子がつながった構造などでも可能です。

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