研究 / Research

アーキテクチャ科学研究系

合田 憲人
AIDA Kento
アーキテクチャ科学研究系 教授
学位:博士(工学)
専門分野:計算機アーキテクチャ
研究内容:http://researchmap.jp/aida/

サイエンスライターによる研究紹介

誰もがクラウドを活用して研究教育を加速できる環境の整備をめざして

 誰でも簡単に、データを集めて、蓄えて、解析して、役立てることができる。そのための新しいコンピュータの利用方法として、クラウドコンピューティング(クラウド)が注目されています。
 クラウドは、ネットワークを介して、データセンターなどの大量のサーバを備えたコンピュータシステムにアクセスし、それを契約に基づいて借りて使うシステムです。好きな時に使いたいだけ使うことができ、自前でコンピュータシステムを運営するのに比べて、サーバの仕様や台数を自由に変更できるといった柔軟性やコストなどの面で優れています。けれども研究や教育で活用するためにはいくつか難しい問題があり、これまであまり導入が進んでいませんでした。私はこれらの問題を解決することにより、クラウドを活用しやすいしくみづくりを進めています。

簡単なクラウドのセットアップ法を開発

 クラウドを研究や教育で利用するとき、まず面倒なのがソフトウェアやネットワークのセットアップです。そこで、クラウド上のソフトウェア環境を自動的に構築するシステム(Virtual Cloud Provider:VCP)を開発しました(図)。 aida_zu.pptx.png

〈図〉クラウド上のソフトウェア環境を自動的に構築するシステム(Virtual Cloud Provider:VCP)

 利用者は自分の望む環境を指定するだけで、サーバの確保、ソフトウェアのインストール、ネットワークの設定などが自動的に行えます。これまで数週間から数か月もかかっていたような大規模な環境の構築も、ほんの十数分でできます。
 また使用するアプリケーションを効率よく動かすためには、それに適したサーバを選ぶことも重要です。そこで、クラウド上の複数のサーバから、適切なサーバを自動的に確保し、状況に応じサーバの追加や削除を行うソフトウェアも開発しています(Dynamic Reconfiguration Framework)。

広がるクラウドの可能性

 このようなシステムを作るだけでなく、実際の研究教育への応用にも力を入れています。ゲノム情報のような大量のデータを解析する場合、異なるコンピュータで解析を行うとOSやソフトウェアのバージョンなどにより、わずかな設定の差異で結果が異なることがあり、解析結果の検証や再現性の面で問題になっていました。これに対し、VCPを使ってクラウド上にまったく同一の環境を構築したところ、この問題をクリアすることに成功しました。
 IoTデータの解析もしています。デジタルカメラをSINET5のモバイルネットワークにつないだ画像解析の実証実験では、屋外を移動しながら得た大量の画像をリアルタイムにクラウドに送り込み、クラウドでデータを解析することを試みました。また、このようなIoTデータ解析のアプリケーションを作成しやすくするためのソフトウェア開発も進めています。

クラウドの活用を支援する

 国立情報学研究所では、大学や研究機関向けにクラウドの導入や活用を支援する「学認クラウド」というサービスを提供しています。クラウドサービスのチェックリストを通して、最適なクラウド事業者の選択を支援し、活用に向けては、学内外で使われている複数のクラウドサービスへアクセスするためのポータル(ゲートウェイサービス)、さまざまなソフトウェアを実行するためのクラウド環境構築の支援(オンデマンド構築サービス)などを行っています。
 私はこのように、クラウドにかかわる、システムの開発、応用、支援の3つを進めています。計算機科学者は、システム開発だけにとどまることなく、応用や支援に入り込むことが必要だと考えています。そのためには、さまざまな分野の研究者との密接な連携が重要で、各方面との共同研究を積極的に行っています。


取材?構成 飯田 啓介

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